Saturday, January 7, 2017

森博嗣Wシリーズ

1作目の「彼女は一人で歩くのか?」に続いて「魔法の色を知っているか?」「風は青海を渡るのか?」「デボラ、眠っているのか?」をまとめ読みしました。Kindleで読んだので本の厚さがわからないけどだいたい1冊3〜4時間ほどで読める分量だった。
     
この2作は時系列的にも内容的にもほとんど1作の前半後半に近い。まずここでなぜウォーカロンがロボット的な存在から生物になったのか、ということが少し触れられている。まあ言ってしまえばウォーカロンはただの端末だからロボットだろうが生物だろうが関係ない、ということだろう。

しかしウォーカロンが発達し生物ベースになるってことは真賀田四季が予想したっていうより真賀田四季の主導であったのだろうと思われるけど、それにしてもウォーカロンが増えた結果人間が増えなくなるってのは真賀田四季も予測できなかったんじゃないだろうか。だって社会的な現象じゃなくてあくまで生物学的な理由で、人類が減り始めるまで誰も気が付かなかった原因なんだから。しかしそれによって一気にウォーカロンが増えるってのは真賀田四季有利になりすぎじゃね?という気がする。

あとウォーカロンの脳はチップではなくニューロンなんだよね?頭開いても人間とすぐには区別できないっていってるくらいなんだから。だとするとチップとニューロンじゃアーキテクチャが違いすぎてプログラムはほとんど0から作り直してるだろう。真賀田四季オリジナルが生きてたときに開発したプログラムがそのまま残ってるってことはさすがにないだろうな。どこかでまた埋め込まれた、というのが実際のところだろう。


今のところのシリーズ最新作。前作までと時間はあまり経ってないけど一旦仕切り直し、といった環境で話を開始。前作までも女王シリーズとの関連が書かれてたけどこの話はもっと直接的につながってくる。森博嗣の得意な超長距離伏線が冴え渡る作品。すべてがFになるから考えてもただ後付で書いてるわけじゃなくWシリーズへの到着は構想に含まれてたのだろうからすごいよなー。

この作品でこの世界の現在の電子世界の状況が語られる。なんというかこの流れって自分的にはホーガンの星を継ぐものシリーズの展開を思わせるんだけど、ホーガンは時代的にまだ電子世界というものが突拍子もないものだったのでちょっとぶっ飛んだハードSFになっているのに対し、森博嗣はFから積み上げたロジックで電子世界に突入してるからそれなりの説得力を持っている。

ストーリィ的には今後を予想させるものではなかったけど、電子世界における誰が誰の味方なのか、真賀田四季はどうしようと思っているのか、ということが謎として残されたので今後はそれが解明する方向に行くのかな、と予想&期待しよう。